刑事事件の判決としては妥当だけど…

刑事裁判の判決としては妥当なんだけれど、やりきれないなあと思った事件。

飲酒衝突で男性両脚切断、少女有罪 危険運転致傷で猶予刑判決

2018年6月27日 午後5時00分

飲酒後に福井県福井市内の市道で乗用車を運転、道路脇に停車中のトラック後方で作業していた男性をはね、両脚切断などの重傷を負わせたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の罪に問われた同市の無職少女=事故当時(18)=の判決公判が6月26日、福井地裁であった。渡邉史朗裁判官は懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役3年)を言い渡した。

福井地裁

福井地裁

渡邉裁判官は判決で、アルコール度数の高い酒を一気飲みするなどし、事故当時高濃度のアルコールを身体に保有していたと指摘。「一生消えない非常に重い傷害を被害者に負わせ、被害者や家族の生活に与えた影響は大きい」と断じた。

一方で、普段は飲酒運転をせず、事故当日は周囲からの勧めを拒否しづらい状況で飲酒。飲酒による判断力の低下や、未成年ゆえの未熟さも影響して運転を思い立ってしまったといえるとした。

判決によると、少女は昨年1月13日午前1時ごろから4時ごろまでの間、当時勤めていたラウンジの上客と福井市内のバーで飲酒し、その後、交際相手の家に向かうため乗用車を運転。午前5時ごろ、同市西谷2丁目の市道で停車中のトラックと後方で作業中の男性に気付かず、男性もろともトラックに衝突した。

(引用元:福井新聞

飲酒運転で被害者は両脚切断の重症でありながら、何故懲役3年、保護観察付執行猶予5年という軽めの判決になっているのかという話。

そこに、現在の日本の司法制度の限界ともいえる物がある。

現在の日本の刑事裁判では、初犯であり懲役(禁錮)3年以下または罰金50万円以下の罪については、執行猶予を付けるという基準がある。

これは、あくまでも基準であり絶対ではないのだが、大抵の刑事事件はこの基準に基づいて執行猶予を付けるか否かが判断される。

被害者の両足切断に至ったという被害は大きな物で、それだけ大きな被害に対して執行猶予付きの判決では刑が軽すぎるのではという意見が結構出ているが…。

  • 検察側は懲役3年を求刑し、判決では執行猶予付きではあるが懲役3年の判決になっている。(事実上、検察側の要求(求刑)通りの懲役年数であるため検察側勝利案件と言える。)
  • 執行猶予の中でも特に厳しい「保護観察付執行猶予」になっている。その上、執行猶予の最長年数である5年の判決である。

という点を加味すると、決して軽めの判決とは言えない。

初犯であり未成年だからという理由で執行猶予付きになったが、執行猶予期間は最長であり、検察の求刑通りの年数で刑が出ているという点は、一言でいえば非常に重い判決と言える。

おそらく、未成年でなければ執行猶予はつかなかったのではないかと考えられる。

刑事裁判を見る時は、判決だけで見るのでなく求刑内容等にも目を向けなければ、それが妥当な判決なのか否かは見えてこないという事を、もう少し多くの人に知ってほしいなと思う名無しの写真家であった。

名無しの写真家 拝名無しの写真家 拝